ここには、やさしさでつながる小さなチームがある。
私はわだの里で介護スタッフとして働いています。介護の仕事は十五年ほど続けていて、有料老人ホーム、病院、特養など、いろいろな現場を経験してきました。小規模多機能はここが初めてで、「やったことのない形に挑戦したい」という思いもあって入職を決めました。
わだの里に来てまず感じたのは、「通い」「訪問」「泊まり」を柔軟に組み合わせる小規模多機能ならではの緊張感と、温かさの両方でした。お住まいのように生活される特養と違って、こちらは通いの方が中心。送迎は毎日の大事な仕事ですが、私は沼津から通っているため、最初の頃は道が分からず迷子になってしまったこともあります。それでも「地元じゃないからしょうがないよ」と皆さんが笑って受け入れてくれて、本当に救われました。この「あたたかさ」が、今もずっと好きなところです。
仕事の中で私が大切にしているのは、ご利用者様を“お客様”として丁寧にお迎えすること。距離が近いぶん、ついフランクに話してしまう瞬間もありますが、失礼にならないように気をつけながら、心地よい距離感を意識しています。ご利用者様は、その日の体調や気分によって表情が変わります。その変化に気づき、寄り添えることが、この仕事ならではのやりがいだと感じます。心に残っているのは、「ありがとう」と言っていただけた瞬間です。どんな職場でもその言葉は嬉しいものですが、小規模多機能は関わる時間が長いぶん、より深く響きます。送迎の時にそっと手を握られたり、「今日も楽しかったよ」と言われたりすると、疲れがすっと軽くなります。
職場の雰囲気もとても良く、他の施設で経験してきたような人間関係のストレスはほとんどありません。スタッフ同士の年齢層は幅がありますが、誰にでも相談しやすく、困ったときは自然と声をかけ合える環境です。シフトも夜勤がなく、日勤帯の中での働き方なので、家庭との両立がしやすいのも大きな魅力です。
介護の仕事は、やったことがないと不安が大きいと思います。私自身も最初はそうでした。でも実際に飛び込んでみると、ご利用者様の温かさや、ここでしか味わえないやりがいに出会えます。難しく考えすぎず、まずは一歩踏み出してみてください。きっとあなたにも、この仕事の良さが伝わると思います。
